そりゃあ古川タクさんも昼間から演劇を見に行く事もあるでしょう。
ということと無関係に、ジブリの配給する「バッタ君町に行く」をオープロの若手アニメーター12人で見に行きました。今日が最終日というので最終回にあわてて駆けつけたもの。
事前に電話で「早めに行って整理券をもらわないといけませんかね?」と訊いたら劇場の人は「これまでの感じだと大丈夫です」ときっぱり。なるほど僕ら以外には8人程度しかいなかったなあ。世界的名作に対して失礼な話しです。
今回の上映はなによりもプリント状態がよく、初めて見る「色」ばかりで驚きました。
アニドウとは縁の深い作品で、初めての上映(16mm/英語版)は1976年 (昭和51年)1月29日に高円寺会館で開催しました。前年暮れに故杉本五郎さんがプリントを入手したばかりで、はりきって企画しました。かなり感動したので、同年の12月16日には同じ高円寺会館で早速リバイバル上映をしています。
続く1977年4月30日には「奇想天外シネマテーク-2 フライシャーに花束を!」という企画で、手塚治虫さんをゲストスピーカーにお招きして、全電通ホールで日本語吹き替え版の上映をしました。大物中の大物手塚さんの出演の快諾には感激しました。(ギャラなしです)
日本版のハニーが「ミツ子」という名には納得したものです。
それから何度も上映しているはずですが、こまかい記録がありません。確か日仏会館ホールでもやったことがあり、和田誠さんにホピティのイラスト付きの観賞記事を新聞に書いていただいたことがあります。
確かな記録ではずっと最近、2004年1月21日に、なかの芸能小劇場で上映しました。
上映だけではあきたらず、2008年2月9日と2008年の二回、作品中の名曲"We Are The Couple In The Castle In The Air"を中心に古今のアニメーション曲を集めてジャズ・コンサートを開催しました。
そんなこんなの長年のおつきあいの末に見るニュー・プリントは感慨深いものがありました。
比べてみれば、これまでの16mmフィルムは本当に退色していてひどいものです。
しかし、30年前にそのフィルムから得た感動は今でも忘れられないというのは、不思議なものです。感受性の豊かな時期の出会いということでしょうか。今回のニュープリントで初めてバッタ君と出会う人の幸運を祝すとともに、大ヒットとならない現実を憂うばかりです。
アニメーションをやる奴は「何度でも」見ておけ!
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